“Spread Pt.5” 最終審査会
2026年9月12日、mark MEIZANにて”Spread Pt.5”最終審査会が開催されました。

今年も熱くスタート!“Spread Pt.5”
「鹿児島から、挑戦が生まれる土壌をつくる」—— 2022年度の始動から熱い理念をつないできたインキュベーション型ビジネスプランコンテストが、第5回の節目を迎えました。
本プログラムの強みは、単なるコンテストにとどまらない伴走型の育成体制です。専門家による複数回のフィードバックやメンタリングを通じ、事業化に必要な知識と思考法を体系的に学ぶことができます。
今回のSpread pt.5も熱意ある挑戦者たちが結集。担当メンターと二人三脚でミーティングを重ね、自らのビジネスアイデアを極限まで磨き上げて最終審査会に臨みました。
今回メンターを務めたのは、以下の方々です。
East Ventures フェロー 大柴 貴紀 氏
株式会社チェンジ鹿児島 中垣 雄 氏
株式会社W・I・Z 代表取締役 松岡 宏満 氏
鹿児島銀行 地域支援部の皆様
メンターと駆け抜ける30日。そのアイデアを、本気のビジネスへ!
本イベントの開幕に先立ち、7月18日には昨年度より導入されたプレイベントを開催いたしました。
当日は『Spread』の全体像を紹介したほか、アイデアを具現化するワークショップを実施。「手元に具体的なプランはないけれど、身近な課題をビジネスで解決したい」という熱意を持った多くの方々にご参加いただきました。
8月8日にスタートした本イベントには、高校生や大学生から社会人まで、幅広い世代の参加者が集まりました。中には、プレイベントへの参加をきっかけに本編へ挑まれた方の姿も見られました。
当初は具体的なプランを持たずに参加した方も、メンタリングやプレゼンテーションを重ねる中で目覚ましい成長をみせ、中には準備していたアイデアを一から見直す参加者も現れるなど、互いに強い刺激を受け合いながらビジネスプランを研ぎ澄ませていきました。
回を重ねるごとに、最終審査会に向けた会場全体の熱気と期待感は確実に高まっていきました。

ここから始まる、挑戦のカタチ。

9月13日、最終審査会当日。会場は参加者と一般観覧者で過去最大の人数で席が埋まり緊張感が漂う中、開会の挨拶を鹿児島市 産業局 産業振興部 産業創出課 前田課長よりいただきました。「Spread pt.5が皆様の挑戦の大きな一歩となることを期待するとともに、皆様が情熱と自信をもって素晴らしいビジネスプランを発表されることを心より楽しみにしています。ビジネスプランに込める熱意や思いを自信をもって存分に発表していただけたらと思います。 」と暖かい言葉が送られました。
今回は審査員として下鶴市長にも参加いただき、より参加者の緊張感も高まります。

今回の審査員の皆様は写真左から
株式会社現場サポート 代表取締役社長 福留 進一 氏
鹿児島市長 下鶴 隆央 氏
株式会社mint General Partner 木暮 圭佑 氏
eatas株式会社 代表取締役CEO/管理栄養士 手嶋 英津子 氏
Buddycare株式会社 代表取締役CEO 原田 和寿 氏
いよいよ、21組の参加者によるプレゼンテーションがスタート。
各登壇者は自らの体験に基づく社会課題の解決策と目指す未来を力強く発表しました。どの登壇者のプレゼンも素晴らしく審査は困難を極めましたが、厳正な審査を経て、今回は以下の5名が選出・受賞されました。
【ソーシャルグッド賞】環境問題の教材パッケージ「クリキンディ・プロジェクト」「体験×学び×デジタル」で環境問題を自分ごとに 大浦向 日葵 氏・網戸 心音 氏
「ソーシャルグッド賞」は社会的に価値の高いアイデアに贈られます。受賞したのは、大浦向 日葵 氏と網戸 心音 氏のチーム。
二人が提案するのは、小中学生を対象とした体験型の環境教育パッケージです。
この事業が向き合うのは、「一度海へ流出して細かくなったプラスチックは、二度と人の手で回収できない」という過酷な現実です。陸の上で流出を食い止める当事者意識を育むため、ハチドリがひとしずくの水を運び続けた物語(クリキンディ)のように、一人ひとりの行動変容を促すプログラムを考案しました。
教材は、教員が事前準備なしで高品質な探究授業を行える「3点セット」で構成されています。
- 授業進行動画: 映像を流すだけでスムーズに授業が展開でき、先生の準備負担を解消。
- マイクロプラスチック採取キット: 本物の砂からピンセットでプラスチック片を拾う体験を通じ、「海に広がったら拾いきれない」という強烈な実感を与え、知識で終わらない行動変容を生み出します。
- Webプラットフォーム「クリキンディの泉」: 生徒がタブレットに入力したエコ宣言や学びが画面上に集約され、クラス全体の変化をリアルタイムで可視化します。
従来の座学のような「他人ごと」で終わらせず、出前授業のような「一発屋」にもしない。動画による手軽さとデジタルの継続性を兼ね備えた点が最大の強みです。
導入ハードルを下げるため、学校予算で導入しやすい価格を実現したほか、地元企業からの協賛金によって学校へ教材を無償寄贈する仕組みも構築。すでに鹿児島玉龍中学校での実証を終えており、今後は市内の小中学校から県内、そして全国へと広げていく計画です。

発表の最後には鹿児島市長へ直接サポートを呼びかけるなど、情熱あふれるプレゼンで会場を包み込みました。
<受賞者コメント>
受賞できるとは思ってなかったので、ソーシャルグッド賞をいただけてとても嬉しかったです。メンターの方や審査員の方々からいただいた意見をもとに、これからもっと改善して、クリキンディの仲間を増やしていきます!ありがとうございました。

【アイデア賞】桜島の恵を、肌に鹿児島の火山灰を使用したフェイスパック 牧迫 美紗氏・四元 志保 氏
アイデア賞は世の中を変革できるようなアイデアに贈られる賞です。アイデア賞を獲得したのは牧迫美沙氏と四元志保氏のチーム。
ビジネスプランとして提案するのは、桜島の火山資源を活かしたご当地スキンケア「桜島クレイフェイスパック」です。
開発の背景には、鹿児島のお土産市場における「お土産のマンネリ化」と「火山資源を活用したヒット作の不足」という2つの課題がありました。これまでも火山灰を利用した商品はありましたが、現在のコスメトレンドに十分マッチしていませんでした。そこで、認知度・利益率ともに高い美容・スキンケア分野へ参入し、新たなヒット商品の創出を目指します。

この製品の最大の特長は、火山灰の「高い洗浄力」と火山灰などが海の中で長い時間をかけて変質した天然粘土鉱物のモンモリロナイトによる「保湿力」を兼ね備えたダブルの天然成分にあります。さらに、幅広い層にアプローチできるよう、若年層・中高年層向けとターゲット別に2つのラインナップを用意します。
パッケージには桜島をイメージした洗練されたデザインを採用し、お土産としても自分へのご褒美としても手に取りたくなる、地域性と実用性を兼ね備えたプロダクトを提案しました。
<受賞者コメント>
まさかアイデア賞に選んでいただけるとは思ってもいなかったのでとても驚きましたが、何によりも嬉しかったです。約1ヶ月間、中垣さんにとことん質問をして沢山のアドバイスをいただき、ブラッシュアップした結果、受賞する事ができました。本番に至るまで、何度も発表資料を作り直し、分かりやすい発表になるよう、こだわって作成しました。審査員の方から「分かりやすい」と褒めていただけて本当に嬉しく、頑張ってよかったと心から思いました。本当に商品化できるとも言っていただけて、自信を持つことができました。

【鹿児島銀行賞】甑島の海が育む時と自然のアート「海中熟成ワイン」 神代 真之 氏
鹿児島の発展に貢献するアイデアに贈られる鹿児島銀行賞は甑島(こしきしま)の海を活用した「水中熟成ワイン事業」を提案した神代 氏に贈られました。
本事業は、薩摩川内市・甑島の海を天然のワインセラーとして利用し、海中で熟成させた付加価値の高いワインを製造・販売する事業。この事業を通じて地域の2つの課題を同時に解決する共創モデルです。

1つ目は福祉の課題(障害者就労支援の強化)。ブランド力や販売力不足に悩む「川内ワイナリー」へ、ワインのシーリング作業や引き上げ後のパッキング作業を継続委託し、障害者の自立支援と雇用機会の創出に貢献します。
2つ目は伝統産業の存続危機(真珠養殖の保護)。事業衰退のリスクに直面する甑島最後の「和田真珠」へ、養殖で培ったノウハウを活かせるワインの海中沈下・引き上げ作業を委託し、技術継承と伝統産業の維持を後押しします。
神代氏は「「海中熟成ワイン」はただのお酒ではありません。薩摩川内の伝統を守り福祉を 支えそして次世代につなぐ希望のサイクルです。」 と語りプレゼンを締めくくりました。
<受賞者コメント>
とても濃い学びの機会をいただきありがとうございました。自身の勉強のために参加しましたが、賞までいただけてとても嬉しいです。学生さんも含め本当にたくさんの素敵なアイディアに溢れていて刺激になりました。これを機にもっとアイディアを磨いて今後の展開に活かしていきたいと思います。

【優秀賞】 スマホ防災可変ライト「そなピカ」 北方 慶仁 氏・春田 悠元 氏
優秀賞は、スマートフォンのライトに装着する防災可変ライト「そなピカ」を提案した北方 慶仁氏と春田悠元氏に贈られました。
ビジネスプラン考案のきっかけは、いつも持っているスマートフォンを災害時にもっと役立てたいという思いでした。
着目したのはスマートフォンのライト。スマホ防災可変ライト「そなピカ」は、日常的に持ち歩くスマートフォンを、災害時に本格的な照明器具へと変える画期的な防災アタッチメントとして提案されました。

「そなピカ」の最大の特長は、追加のLEDやバッテリーを一切使わず、スマホ既存のライト光を制御・最適化する点にあります。充電の手間や電池切れの心配がなく、軽量でシンプルな構造のため、ワンコイン(税込498円目標)という誰でも手をだしやすい圧倒的な低価格を実現しています。
本体は工具を使わずに指先で簡単に装着可能。照射モードは、側面のスイッチを指一本でスライドさせるだけで集光モード、拡散モード、通常モードの3段階に切り替えられます。
今後は試作品での強度や明るさの検証を重ね、クラウドファンディングや自治体・企業の防災セットへの導入を目指していくとのこと。「いつものスマホを、もしもの明かりに」変える、非常に実用的でポテンシャルの高い防災プロダクトです。
<受賞者コメント>
今回受賞することができたのは、メンターの方の支えがあったことがすごく大きかったです。自分たちでは壁にぶつかって進まなくなった時に、経営者目線のアドバイスをいただき、より良いビジネスプランにすることができました。そして、ペアの友人ともより仲良くなれたので良い経験になりました。メンターの方々、運営関係者の方々、ありがとうございました。

【最優秀賞】 想像力を鍛えるつくるジム 齊藤 智弘 氏
最優秀賞に選ばれたビジネスプランは、観光客元小学校の図工専科教員としての経験を持つ齋藤氏が提案するのは、小学生が「作る」ことに思う存分没頭できる放課後のクリエイティブスペース、想像力を鍛える「つくる」ジムです。
齋藤氏が着目したのは、子どもたちの「作ってみたい」という意欲を阻害している「時間と場所の不足」という大きな壁です。学校の授業では片付けや準備に追われてじっくり試行錯誤する時間が足りず、家庭でも「部屋が汚れる」「材料を揃えるのが大変」「途中の作品を置いておく場所がない」といった悩みから、子どもが制作に没頭できる環境が失われています。

そこで「つくる」ジムでは、木工や粘土、裁縫、デジタルカメラなど多彩な道具と材料を常備。子どもたちがいつでも手ぶらで訪れ、前回の続きから自由に試行錯誤できる環境を提供します。
既存の絵画・造形教室との大きな違いは、「上手な作り方を教える」のではなく「思考のプロセス」を重視する点にあります。ここでは何を作るかも子ども自身が決めます。大人の役割は教えることではなく、安全を見守り「なぜそうしたの?」「もっとどうしたい?」と問いかけることで、思考力や発想力、想像力を引き出すことです。
ビジネスとしては、月額会員制を基本としつつ、空き枠のスポット利用にも対応。すでに自身の写真スタジオ内に1号店となるスペースを試験開設し、説明書がなくても夢中で材料を組み合わせて創作に励む子どもたちの姿や、保護者からの高いニーズを確認しています。
今後は、元図工教員ならではの問いかけのノウハウやコンテンツをパッケージ化し、自宅の空きスペース等を活用したフランチャイズ(FC)展開を目指します。アートの専門知識がないオーナーでも開業・運営できる仕組みを整えることで、鹿児島から全国へと子どもたちの「第三の居場所」を広げていくプロジェクトです。
<受賞者コメント>
このたびは最優秀賞をいただき、本当にありがとうございます。
今回、特に印象に残っているのが、メンタリングです。自分の中にあった「こんな場所をつくりたい」という思いに丁寧に向き合っていただき、実現したいことを一つのビジネス案として形にしていただきました。
メンターの皆さまをはじめ、審査員や運営に関わってくださった皆さまに、心から感謝しています。
今回の受賞を力に、子どもたちの「つくりたい」を叶える、新しい放課後の場所を育てていきます。本当にありがとうございました。

mark MEIZANであなたの「やりたい」をカタチに。
ご参加いただいた審査員の皆様、そして素晴らしい発表を行ってくださった登壇者の皆様、本当にありがとうございました!
多彩な世代や職種の参加者とメンターが意見を交わし、ビジネスプランを深め合ったプロセスは、非常に刺激的で価値ある体験だったと感じております。
ひとりの頭の中だけでは生まれない閃きも、誰かと語り合うことで何倍にも膨らみ、夢は現実的なプランへと進化していきます。
はじめての挑戦に踏み出すのは誰だって勇気がいるもの。
mark MEIZANでは、起業家はもちろん、クリエイターやエンジニアまで幅広くサポートできる体制を整えています。
今回の挑戦者たちに続いて、今度はあなたが思い描く夢をカタチにしてみませんか?mark MEIZANで一歩を踏み出すあなたをお待ちしています!
